うさぎさんの男の子は子育てするのかな?(大久野島のうさぎさん)
頭の片隅に残してくださっている方もいらっしゃるかもしれませんが、以前「ママうさぎさんの子育てを見守る」という内容の記事を書かせてもらいました。
その中でも少しお話させていただいたのですが、もう一度うさぎさんの子育てについて書かせていただきたいと思います。
今回は、ママだけでなく・・・パパのことも!
【ママの出産準備】
うさぎさんのママは出産間近になると、たくさんの巣材を巣穴近くの色々な場所から集めます。
巣穴から少し離れた場所に落ちている葉っぱを小さなお口に落としちゃうくらいいっぱいいっぱいくわえて、巣穴に向かってダッシュ!!
何度も何度も繰り返し巣穴に運び、これから生まれてくる赤ちゃんのためのふかふかのベッドを作って出産準備をするんです。
何度も何度も往復するので、最後には疲れ切って巣材をくわえたままペタンって座ってしまう子もいるくらいです。
「ちょっと休憩してます」
これだけでも感動する行動なのですが、「仔うさぎちゃんが巣立つまで」のママの奮闘にはこの後も感動が続きます。
【子育ては巣穴の中だけ?】
無事に巣穴の中で赤ちゃんを産んだら、その瞬間から今度は本格的に子育てがはじまります。
巣穴の中での出産なので、中での子育ての様子は想像するしかありませんが・・・
おっぱいを飲ませたり、身体をなめてあげたりしているのかな~と尊い姿を妄想しています。
皆さんのご存知の通り、ママは「授乳」と言う何よりも重要な子育てがあります。
でも実は、巣穴の外に居る間もママうさぎさんは一生懸命子育てをしていると私たちは考えているんです。
「仔うさぎちゃんが巣穴の中にいるのに、外で子育てをするってどういうことだろう?」
そう思われますよね。
<巣穴を守っているんです>
大久野島を歩いていると、出産直後のうさぎさんが巣穴の前で守っている様子をよく見かけます。
「わたしの大切なこどもたちを守ります」
この「巣穴を守る」行為も立派な子育てだと考えています。
中にいる赤ちゃんが、ネズミや蛇などの天敵に狙われないように。他のうさぎさんに危害をくわえられないように。
必死に守っているのだと思います。
しばらくママの様子を見守っていると、巣穴に近寄る他のうさぎさんを追い払っている姿もよく見かけるんですよ。
その時のママは、びっくりするほどの気迫です。
巣穴の警備員をしているのは「ママ」が多いので、私たちもつい最近までは「ママうさぎさんだけ」が巣穴と仔うさぎちゃんを守っていると思っていました。
ですが・・・
パパは子育てに協力的?
なんと!巣穴を守る「パパ」もいるのです!!
「ぼくの妻と仔です
ぼくが守ります」
それまでは、うさぎさんのパパって「ママうさぎさんの出産や子育て」の手伝いはしないのだろうなと思っていました。
むしろ、邪魔をしているイメージも。
ママが一生懸命巣材を運んでいる時に、好き好き攻撃しながら追いかけまわしては怒られて・・・を繰り返すパパ。
その姿が愛らしくもあるのですが、ママにとっては迷惑そうな様子にみえていたり。
実際は、ママも嫌がってはいないのかもしれませんけど。
そんなある日、明らかに巣穴を守っているパパを見つけました。
「男の子ったらー(笑)ママを追いかけまわしたらだめだよー」とか「また邪魔してるー」とか、そう言うところも可愛いなと思いながら笑顔での声かけではありますが、それまでパパへ向けた私たちの声かけを振り返ると・・・大変失礼な言葉かけだったと反省しました。
「大事なわが子ですからね」
仔うさぎちゃんが巣穴から顔を出して巣立つまでの間、こうやってパパとママは協力をして子育てをしているんですね。
こうやって書いている間も、命をつなぐことに全力で向き合ううさぎさんの行動を思い出すと涙が出てきそうです。
ただ、この「巣穴を守る」といううさぎさんにとってはとても重要な行動も、人間が近づくと「食べものがもらえる」と思ってやめてしまう子がほとんどです。
ですので、大久野島でこんな様子を見かけたら、そ~っと見守ることを思い出してもらえたら嬉しいです。
うさぎさんの生活を人間が邪魔をしないように、人間が意識や行動を変える必要があるのではないかと私たちは考えています。
こどもたちに大人気のパパうさぎさん
子育てに協力的なパパは、こんな風にこどもたちにも大人気なんですよ^^
人間と同じですね♪
大きく育って自分たちで食べ物を探して生きていけるようになるまでは、パパとママに守ってもらおうね☆
そんなうさぎさんの様子を、私たちもずっと見守っていけたら幸せです。
うたお(中村隆之)と、うたこ(中村麿矢)二人で「うさぎ写真家uta」として活動しています。
2000年より大久野島のうさぎさんの写真を撮り続けています。
これまでの23年間で大久野島のうさぎさんに教えてもらったことを、少しでも多くの方にお伝え出来たら嬉しいです。